Aspergillus, Penicillium ならびに Fusarium 属糸状菌の産生するカビ毒21種, すなわち, アフラトキシン (AF) B1, B2, G1, G2, ステリグマトシスチン, オクラトキシンA, 麹酸, D-セカロン酸, ルテナスカイリン, グリセオフラビン, PR-トキシン, ルブラトキシンB, パツリン, ペニシリン酸, シトリニン, シクロピアゾン酸, モニリフォルミン, ゼアラレノン, T-2トキシン, ニバレノール, フザレノン-X, についてAmesテストによる変異原性を調べるとともに, S9 mix添加における極微弱発光の測定を行い以下の結果を得た。 1) Amesテストではビスフラン環を有するAFB1, G1には明らかな, また, B2およびステリグマトシスチンには弱い変異原性が認められた。これまで. Amesテストで変異原性が報告されていたAFG2ならびにエポキシ環を有するPR-トキシンは, 今回陰性であった。この他, ニバレノールを含め他の供試カビ毒も陰性であった。 2) 極微弱発光による測定においては, 対照値の30%を超えて発光が見られたのはAF類, ステリグマトシスチン, PR-トキシンおよびシクロピアゾン酸であった。シクロピアゾン酸を除けば, いずれも今回, あるいはこれまでAmesテストで陽性を示した毒素であり, 極微弱発光とAmesテストの結果はほぼ一致しているといえる。トリコテセン系化合物のフザレノン-Xも比較的強い発光が観察された。