研究では, DEXA法による骨密度測定, および従来より用いてきた骨代謝のパラメータを用いて, 卵巣摘出骨粗鬆症モデルラットの骨代謝に対するグロビン (ポリペブチド) の効果を検討した。 体重約150gの6週齢SD系雌ラットに卵巣摘出術を施し, 低Ca食 (Ca, 0.01%; P, 0.3%) で32日間飼育した後, カゼインのみをN源とするcontrol群 (18% casein) と, カゼインにグロビンを添加したglobin群 (18% casein and 0.24% globin) に分け27日間飼育した。 その結果, globin群はcontrol群に比べ, 1) 腰椎および脛骨骨密度において, 有意 (p<0.05, p<0.01) な高値を示した。 2) 大腿骨中Ca量において, 有意 (p<0.01) な高値を示した。 3) 大腿骨破断力および破断エネルギーにおいて, 有意 (p<0.001, p<0.05) に増強した。 4) 大腿骨新鮮重量・乾燥重量・灰化重量のいずれにおいても, 有意 (p<0.01) な高値を示した。 5) Ca吸収量においても, 増加の傾向がみられた。 以上よりグロビンは, 骨代謝に影響をあたえる素材として, 骨代謝改善に効果的であることが示唆された。