カルシウムカゼイネートに微生物由来の中性プロテアーゼを作用させて調製した, カルシウムカゼインペプチド (CaCP) およびそれと同一組成のアミノ酸混合物 (AAM) を用いラットの門脈血経時的採血法による in vivo 吸収実験を実施した。その結果, CaCPはAAMに比較して, 腸管からきわめて速やかに吸収され, その吸収量も増加することが明らかとなった。また, 吸収されたアミノ酸の比率は, CaCPのアミノ酸組成と必ずしも一致しなかったが, 個々のアミノ酸の吸収量, および吸収速度をAAMと比較した場合, CaCPはとくに必須アミノ酸の吸収性に優れていた。これより, CaCPは腸管からの吸収性に優れ, 栄養学的な効果も期待できると考えられる。 また, 本実験系に用いた門脈カテーテル留置ラットの作製方法について, 今回新たな改良を施した結果, 実験手技の簡便性をより高めることが可能となった。