日常から食品の防臭, 抑臭に用いられている調味料, 香辛料などの食品類, ならびに抗酸化, 殺菌作用の期待される試薬類, 処理がブタ小腸の悪臭発生, 揮発性成分量, 一般細菌数に及ぼす影響を検討した。 1) 多くの食品類に悪臭発生の抑制作用を認めた。とくにたまねぎ, しそ, みそ, しょうがじょうゆ, 緑茶や, 香辛料, ハーブ類のセージ, タイム, クロープ, ナールスパイス, セルフィーユ, レモンパームは効果が顕著であった。このうち, しょうがじょうゆ, 緑茶, クローブは同時に一般細菌の顕著な増殖抑制効果を示した。 2) 抗酸化, キレート, 殺菌効果をもつ試薬類, 処理にも抑臭効果が認められた。とくにBHA, EDTA, 昇こう, フェノールは官能評価, 一般細菌数の結果とも優れていた。 3) 抑臭効果を有する食品類添加の際の一般細菌数, 揮発性成分量には統一した傾向は見られなかった. 官能的な効果が悪臭発生の抑制や矯臭などさまざまな因子の結果であることを示唆している。 4) 抗酸化剤, キレート剤, 殺菌剤ならびに関連処理では官能評価に対応して主要揮発性成分量, 一般細菌数ともに減少した。ブタ小腸保存中の悪臭が, おもに微生物による腐敗や発酵の結果生成する揮発性成分, とくにイオウ化合物やアルコール類の生成に起因することが示された。