本研究では, 骨粗鬆症の予防のために, 閉経前に骨量を高めておくこと, および閉経後の急速な骨塩減少を抑制することに対する, 自由運動の効果を検討した。 体重約290gの8カ月齢Wistar系成熟雌ラットに, 偽手術または卵巣摘出手術を施し, 15日間の予備飼育後, それぞれを非運動群 (control群) と自由運動群 (running群) に分け計4群とし, 170日間飼育した。飼料には固形飼料 (1.2% Ca, 0.96% P) を用い, 水道水とともに自由摂取させた。 その結果, 1) OVX群は, sham群に比し, (1) 体重が有意 (p<0.001) に増加した。(2) 走行距離については, 有意 (p<0.001) な低値を示した。 2) running群は, sham群・OVX群ともにcontrol群に比し, (1) Ca吸収量において, その経時的減少が抑制された。(2) 大腿骨破断力においては増強傾向が認められた。(3) 大腿骨灰化重量およびCa量において, 有意な増加, あるいは増加傾向がみられた。 以上より, 自由運動は骨代謝改善に効果的であり, とくに閉経後の骨塩減少の抑制に効果的であることが示唆された。