食品由来のタンパク質消化産物から, 食品の三次機能である生体機能を担う物質を検索する目的で, ゼイン, ダイズタンパク質, カゼイン, オボアルブミンをペプシンにて消化し, 消化物のクロロホルム/メタノール抽出画分についてカルモデュリン依存性環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ (PDE I) に対する影響について検討した。ゼインのペプシン消化産物はCa2+/カルモデュリン存在下にPDE Iを低濃度で阻害し, 他のタンパク質から得られた消化産物より4~8倍の強力な阻害活性を示した。そこで, ゼインから得られた画分をODSカラムを用いて精製したところ, PDE Iに対する阻害作用がIC50が53μg/mlと非常に阻害活性の強い画分が得られた。この画分をODSカラムでさらに精製し, 得られた画分のアミノ酸の一次構造の解析を行ったところ, AGILPLSPLFなる構造を示すデカペプチドであることが判明した。