離乳1週間後の4週齢ウィスター系雄ラットを26時間絶食させた後, 自由摂食群とともに屠殺した。 肝臓ミクロソームによるα-リノレン酸からの n -3系ポリエン酸合成能は絶食群で著しく低下したが, 脳ミクロソームの反応では有意な変化を認めず, 食餌条件の変化に対して脳の合成系が肝臓と比較して影響されにくいことが示された。 絶食により, 25%の体重の減少を認めた。絶食ラットの肝重量は対照群の75%程度であり, 肝重量の減少に伴う臓器当りのリン脂質量の減少 (p<0.05) を認めたが, コレステロール量は変化せず, その結果, 臓器中のコレステロール濃度は増加した (p<0.05)。トリグリセリド量はやや減少したが, その差は有意なものでなかった。また, PC/PE比の減少, 肝臓脂質中のポリエン酸濃度の増加から, 肝臓中のホスファチジルコリンの減少が最も著しいと考えられた。