本研究では骨粗鬆症予防を目的に, 40歳から60歳の健常日本人女性654名を対象として, 腰椎骨密度測定, 身体計測, 3日間食事調査およびアンケートを行った。そして, 骨密度に対する食生活および身体活動の影響について検討した。その結果, 1) 腰椎骨密度は, 高齢になるに従い, 低い値を示し, とくに閉経直後の低下が著しかった。 2) 骨密度に対し, 体重およびBMIはすべての年齢群で有意な正相関を示したが, 体脂肪率とは相関が認められなかった。 3) 骨折経験老は, 未経験者に比ベ, 骨密度のZ%が有意に低値を示した。 4) カルシウム摂取量は, すべての年齢群で所要量をた。 5) 現在運動習慣のある対象者は, まったく運動習慣のない対象老に比べ, 骨密度のZ%は有意に高値を示した。 6) 食生活および身体活動に対する意識は高齢者ほど高く, 意識の高いグループで, 骨密度のZ%は高い傾向を示した。 以上の結果から, 食生活および身体活動に対する意識を高くもち, 適度な運動およびバランスの良い食生活を実践することは, 骨粗鬆症予防に対し重要であることが示唆された。