食品によるアテローム性動脈硬化性疾患予防を志向レ, ガーリック粉末投与がSHRSPの脂質代謝に及ぼす影響をリポタンパク代謝を中心として検討した。 ガーリック粉末を通常食に1%混餌した飼料を3週間, さらに3%混餌した飼料を3週間SHRSPに投与した。ガーリック粉末投与は動物の成長にはまったく影響を与えなかったが血圧の上昇は有意に抑制した。 ガーリック粉末投与は, 血清脂質ならびに血清アポタンパク含量にはほとんど影響を与えなかった。しかし, 血清リポタンパク分画のなかで, LDL分画とHDL分画においてapoEに富むHDL (HDL1) の上昇傾向が観察されたことから, 期待される効果としてコレステロール逆転送亢進作用が考えられる。 ガーリック粉末投与は, 血清脂質代謝律速酵素活性への影響は比較的小さいと考えられた。また肝臓脂質含量への影響もほとんど認められなかったが, 肝臓コレステロール異化律速酵素であるcholesterol 7α-hydroxylase活性の有意な上昇とACAT活性の低下傾向が観察されたことから, 肝臓コレステロール代謝改善作用を有することが示唆された。