本実験ではカルニチン投与時における生体内のカルニチンの挙動を調べる目的で, モルモット初代培養肝細胞を用いカルニチンの取込みと放出について検討した。その結果, モルモット初代培養肝細胞においてカルニチンの取込みは培養時間および培地中のカルニチン濃度に依存し, また, 細胞内に取り込まれた遊離型カルニチンは容易にアシル化され遊離型およびアシルカルニチンとして蓄積されていることが認められた。あらかじめカルニチンを取り込ませた細胞をカルニチン無添加培地で培養を行い細胞内外のカルニチン量の経時的変化を調べたところ, 中に放出されることが認められた。さらに, 脂肪酸負荷細胞におけるカルニチンの取込みを調ベた結果, 脂肪酸の有無, 濃度にかかわらず細胞内総カルニチン量には変化がみられなかったが, 脂肪酸濃度の増加に伴い遊離型カルニチン量が減少した。