頻回瀉血により作成した貧血ラットを用いてSFC (鉄として1,5mg/kg) およびHIP (鉄として1,5mg/kg) 投与による貧血改善効果の比較試験を行った。貧血ラットにおいて同一鉄投与量で比較した場合, SFC投与群のほうがHIP投与群に比し, 有意な貧血改善効果を示した。肝臓中の非ヘム鉄の量においてもSFC50mg/kg投与群が他の群に比べ, 有意に増加を示した。 ヘモグロビン再生効率 (HRE) の推移ではSFC 50mg/kg投与群が経口投与開始後急激に上昇し, その後平衡状態であったのに対し, SFC10mg/kg投与群ではラグタイムを有したのち, 急激に上昇した。HIP投与群では若干の上昇を認めたのみであった。以上の結果より貧血状態においてのSFC投与はHIP投与に比ベ, 貧血改善効果にすぐれていると示唆された。