高コレステロール食条件下で19種類の油脂類をウズラに投与し, 血清および肝臓脂質濃度および食餌脂肪酸組成を変数とする主成分分析により油脂の粥状動脈硬化惹起性の評価を試みた。抽出された第一主成分は動脈硬化指数と強い負の相関を示すことから (相関係数-0.71, p<0.01) 動脈硬化惹起性を代表する総合特性値と判断され, この得点により油脂類の粥状動脈硬化惹起性を推測できた。第一主成分に対する脂肪酸の因子負荷量から, 多価不飽和脂肪酸および中鎖脂肪酸は動脈硬化を抑制する一方, オレイン酸は促進することが示された。これら以外の脂肪酸の影響は比較的小さいと判断された。