カロテノイド摂取量と血中カロテノイドとの相関を調べるために, 正常者および高カロテノイド血症者を対象として, 1年間にわたり調査を行った。 1) 高カロテノイド血症者の各血中カロテノイド濃度は年間を通じて一定の傾向がみられたが, カロテノイド含有食品の摂取総量, および摂取量の多い各食品の相対的比率についても年間を通じて変化が少なかった。 2) 高カロテノイド血症者のうち, 半数は正常者平均値に比ベカロテノイド摂取量が多く, 半数はカロテノイド摂取量が少なかった。 3) 高カロテノイド血症者のうち, カロテノイド摂取量が多い4例は, 血中で優位な濃度を示すカロテノイド種を多く含む食品からのカロテノイド摂取量が高値であった。 4) 高カロテノイド血症にもかかわらずカロテノイド摂取量が少ない4例は, 血中で優位な濃度を示すカロテノイド種を含む食品の相対的摂取量比が高値であった。 5) カロテノイド摂取量の少ないにもかかわらず高カロテノイド血症を示した者4例のうち3例のBMIは, 日本肥満学会の基準によるやせの領域にあった。