エタノールおよび酵素処理された大豆由来高食物繊維含有素材の物理的特性とコレステロール負荷条件下でのラット脂質濃度, 糞中ステロイド排泄に及ぼす影響を市販の大豆由来高食物繊維含有素材と比較検討を行い, 以下の結果を得た。 1) 電子顕微鏡による観察においてSBF粒子は, 多孔質構造を有していた。また物理的特性値である保水性, 膨潤性に関して, SBFは, セルロースおよびCADと比較していずれも有意に高い値を示した。 2) 飼料摂取量ならびに体重増加量および肝臓重量に有意な差は認められなかった。 3) 血清脂質濃度に関して, SBF摂食群は, 摂取後1週目にセルロース群およびCAD群に対しコレステロール濃度の上昇抑制効果が有意に認められた。この結果は, 再現性よく確認された。一方, トリグリセリド濃度は, セルロース群に対し低い値で推移するが再現性よく有意な低下を示さなかった。 4) 肝臓脂質濃度は, SBF摂食群のトリグリセリド濃度に有意な低下を認めた。 5) 糞中ステロールの排泄量は, 各群間で有意な差を認めなかった。 以上の結果より, SBFのコレステロール濃度の上昇抑制効果はその物理的特性によるものと考えられ, 生理機能を有する優れた食品添加素材であると思われる。