ウィスター系雌ラットを大豆油を含む飼料で飼育し, 出産後大豆油食とDHAエチルエステル添加食に分けた。 1) 仔ラットの胃から採取した乳汁の22: 6n-3濃度は, 大豆油群では初乳で最大値を示した後にしだいに減少したが, DHA食群ではしだいに増加した。 2) 肝臓トリグリセリドの22: 6n-3濃度は5日齢で最大値 (大豆油食群, 4.5%; DHA食群, 13.1%) を示した。また, 各年齢で, 大豆油食群よりDHA食群の値が高かった。 3) 肝臓リン脂質の22: 6n-3濃度は, 大豆油群では5日齢で最大値を (15.6%), DHA食群では5~20日齢の範囲で高値 (17.4~19.2%) を示した後に減少した。また, 各年齢で大豆油群よりDHA食群の値が高かった。 4) 大脳皮質リン脂質の22: 6n-3濃度は成熟ラットでの値が最も高かった (大豆油食群, 17.8%; DHA食群, 19.7%)。また, 大豆油食群よりDHA食群が高値を示したが, その差は20日齢において最も顕著であった (大豆油食群, 14.1%; DHA食群, 16.7%)。