8週齢のSHRSPにセサミン (市販粉末飼料中に0.5%添加) を8週間投与し, 血圧や体重および大脳皮質におけるフリーラジカル障害に及ぼす影響を検討した。 1) WKYでもSHRSPでも, 血圧や体重への影響は認められなかった。 2) SHRSPの対照群では脳重量の増加がみられ, 半数に脳軟化巣が認められたが, セサミン投与群では脳重量の増加はなく, 脳卒中病変の発生も認められなかった。 3) SHRSPの大脳皮質では尿酸値の著しい上昇がみられたが, これはセサミン投与により明らかに抑制された。 4) SHRSPのセサミン投与群ではSOD活性は対照群に比べ低値であった。 5) SHRSPのセサミン投与群ではNa/K-ATPase活性が対照群に比べ高値であった。 以上の結果より, セサミンはSHRSPの大脳皮質においてキサンチン-キサンチンオキシダーゼ系で産生されるフリーラジカルを速やかに捕捉することにより, 虚血による障害を防止すると考えられる。