脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット (SHRSP) にユーグレナ ( Eugtena gracitis Z) をタンパク源とした飼料を5週齢から20週齢まで投与し血清ならびに血管組織ACE活性と大動脈エラスチン量に及ぼす影響をACE阻害剤のカプトプリルと比較検討した。 1) 5週齢からユーグレナ飼料を投与したSHRSPの血圧は対照群と変わらなかったが, カプトプリルを投与したSHRSPでは血圧上昇は抑制された。 2) ユーグレナ群の血清ACE活性は, 対照群と変わらなかったが, カプトプリル群では対照群より高値を示した。 3) 胸部大動脈ACE活性は対照群に比ベユーグレナ群, カプトプリル群で有意に低値であった (p<0.05)。しかし, 腸間膜動脈ACE活性は対照群に比べ両群とも低値であったが有意な差ではなかった。 4) ユーグレナ群, カプトプリル群の大動脈比体重は対照群より有意に小さく (p<0.05), 大動脈エラスチン量も高値を示した。 以上の結果より, ユーグレナ飼料によるSHRSPの血管壁の肥厚抑制や弾性の低下の抑制は血管組織ACE活性の阻害を介していると考えられた。それが, 脳血管疾患の発症抑制や遅延につながり延命をもたらすものと推察した。