Wistar系雄ラットにPレベル0.5% (正常食) と1.5% (高P食) を投与し, 尿中および腎臓中Ca, MgおよびP濃度と腎機能の指標として血清および尿中生化学的なパラメータを測定し, さらに組織学的検討を加え高P食投与時の腎石灰化と腎機能の関係について検討を試みた。 1) 高P食投与により腎臓中Ca, Mg, P量および尿中P排泄量は増加した。腎機能の指標については, 血清中尿素窒素量, 尿中クレアチニン, アルブミン排泄量およびクレアチニンクリアランスが増加し, 尿素クリアランスは減少した。以上の結果から糸球体の機能低下を起こしていることが示唆された。 2) 組織学的検討では, 高P食投与により一部の遠位尿細管管腔および大部分の集合管管腔が拡張し, その拡張した管腔の大部分に多量のCaの沈着が観察された。糸球体および近位尿細管ではCaの沈着および形態的変化は観察されなかった。