4週齢のWistar系雄ラットに, P源としてNa2HPO4, IP2, IP3, IP4, IP6のいずれかを含む飼料を4週間投与し, P源としてのこれらの有効性およびミネラル利用性へ及ぼす影響について検討した。 1) Pの吸収率は, フィチン酸 (IP6) に比べ, その分解中間生成物 (IP2~IP4) で有意に高く, P源として無機P (Na2HPO4) と同等に利用された。 2) Caの吸収率・蓄積率には各群間での有意差は認められなかった。 3) MgおよびZnの吸収率は, IP2~IP4飼料でフィチン酸群に比べ高くなる傾向にあった。とくにMg蓄積率は, IP2添加群で無機P群よりもさらに高くなった。 4) 以上から, フィチン酸を酵素で部分的に分解して利用することの栄養生理学的意義の一端が明らかになった。