草類から食飼料に適したタンパク質を比較的簡便に, かつ高収量で分離する方法を確立するため, ホウレンソウほか20種の試料を用いて, 希アルカリ性アセトン溶液によるタンパク質の抽出条件を検討した。 1) 供試試料を0.1% 2-ME含有0.05N NaOH性80-, 60-, 40-および20%アセトン溶液と0.1% 2-ME含有0.05N NaOH溶液とを用いて, 各3回, 順次タンパク質の抽出を行うことにより, 大部分の試料で, その純タンパク質は80%以上抽出された。ワラビ, スギナなど数種の試料での本法による純タンパク質の抽出率は低いが, NaOH溶液の濃度を0.1Nにすることにより, ワラビでの純タンパク質抽出率は59%に, その他の試料のそれは80%以上に増大した。 2) 本方法での純タンパク質総抽出率は高いが, ホウレンソウ, 大根葉にあっては, 純タンパク質は26%内外加水分解され, 実際的には界面活性剤を用いるタンパク質の抽出法に, 操作上, また収率の面で劣るようである。