1) オオムギ穀粒のタンパク質含量は表層部より中間層へ増加し, 中間層から中心部へと減少した。 2) オオムギ穀粒中の各種タンパク質の分布状態は水可溶性タンパク質は表層部に多く含まれ, 中心部にゆくにつれて減少した。塩可溶性タンパク質は表層部から中心部まで, ほぼ一定の値を示した。アルコール可溶性タンパク質, 不溶性タンパク質は表層部に少なく中間層に多く含まれ中心部へと減少した。 3) オオムギ穀粒中の各種タンパク質の電気泳動像は, アルコール可溶性画分を除く3画分において表層部, 中間層, 中心部でそれぞれ特徴のある泳動像が示された。 4) 各層別のアミノ酸組成は表層部, 中間層, 中心部と相違を示した。アスパラギン酸, リジン, アラニン, アルギニン, バリン, グリシン, セリン, スレオニンは表層部に多く含まれ, 中心部へと減少した。グルタミン酸, プロリンは表層部に少なく中心部へと増加した。その他のアミノ酸の分布は各層で相違が認められなかった。 5) オオムギ穀粒の第一制限アミノ酸はリジンであった。そのアミノ酸価は表層部で高い値を示し, 中心部へと下がっていった。