α-トコフェロールに対するゴマリグナン物質の相乗効果におけるゴマリグナン物質の種類の違いとα-トコフェロール濃度の影響について検討した。その結果, 以下の事項が明らかとなった。 1) ゴマリグナン物質の摂取により肝臓が肥大し, ゴマリグナン物質はおもに肝臓で代謝されていると推測された。 2) 低α-トコフェロール飼料群はビタミンE欠乏状態を示し, 生体内過酸化脂質も高い値を示したが, ゴマリグナン物質を同時摂取すると生体内トコフェロール濃度は上昇し, ビタミンE欠乏状態は改善された。 3) ゴマリグナン物質のトコフェロール増強効果は低α-トコフェロール飼料群, 通常α-トコフェロール飼料群のどちらにも観察されたが, その効果はより低α-トコフェロール状態で顕著であった。 4) ゴマリグナン物質の中ではセサミノールの効果が最も強く, セサモールの効果は弱かった。