オリーブ油, 大豆油, 鯨油の自動酸化に対する酸化安定性をランシマット法 (導電率を利用した測定法) とオーブン試験, AOM試験, 重量法試験などと比較検討した。 1) ランシマット法による油脂の酸化安定性評価の尺度である誘導時間は, オリーブ油, 大豆油, 鯨油で6.15, 3, 03および0.87hであった。誘導時間からみた油脂の酸化安定性はオリーブ油が最も高く, ついで, 大豆油, 鯨油の順であった。 2) オーブン試験, AOM試験, 重量法試験で測定した油脂の酸化安定性は, いずれの試験法でもオリーブ油が最も高く, ついで大豆油, 鯨油の順であった。 3) ランシマット法で誘導時間 (変曲点) に達した油脂の酸化特数を調べた。過酸化物価は3油脂とも大きく異なり, アニシジン価とカルボニル価はオリーブ油と大豆油は近似していたが鯨油はそれらより低く, 逆に酸価はオリーブ油, 大豆油よりも鯨油のほうが高かった。