カボスを種々の方法で分画し, それぞれの画分を飼料に添加してラットに投与し, 血清および肝臓コレステロールレベルに対する影響を検討した。 1) 高コレステロール食にカボス画分を添加した飼料をラットに与えたところ, 果実の搾汁粕にはコレステロール上昇抑制作用が認められなかった。一方, 果汁にエタノールを添加して得られた沈澱物とそのヘキサン抽出残渣には強いコレステロール上昇抑制作用が認められた。 2) PCB添加食にカボス画分を添加して同様に検討したところ, 果実搾汁粕, 果汁エタノール沈澱物, およびそのヘキサン抽出残渣には強いコレステロール上昇抑制作用が認められた。 3) 高コレステロール食, PCB添加食のいずれを与えた場合にも, コレステロール上昇抑制作用をもつ画分を与えたときには, 糞中への中性ステロールならびに胆汁酸の排泄量が増加しており, これがコレステロール上昇抑制作用の一つの作用機構であると考えられた。