給食施設 (病院2, 学校1 計3カ所, 19食) における食事中の脂溶性成分 (脂肪酸, コレステロール, β-カロチン) の測定値と計算値の比較を行った。測定値と計算値の検定はサイン・ランクテストにより行った。また同じ食事中の植物ステロールの測定もあわせて行った。その結果, 以下のような結果が得られた。 1) 全脂肪酸量の測定値は計算値に近く, 平均103.6±23.5%, 相関係数r=0.915であった。測定値と計算値の間には有意差は見られなかった (p>0.05)。n-3 PUFAには測定値と計算値の間に差が見られ, その結果n-6/n-3比は測定値の方が計算値よりかなり低い値になる傾向が見られた。 2) コレステロール量の測定値はいくつかの食事で計算値とかなり異なるものが見られたが, 計算値に対して平均81.2±23.8%, 相関係数r=0.950であった。測定値と計算値には有意差が見られた (p<0.05)。 3) β-カロチン量はいずれの食事においても測定値が計算値を下回り, 平均69.2±39.0%, 相関係数r=0.703であった。測定値と計算値の間には有意差が見られた (p<0.05)。β-カロチンのおもな供給源である緑黄色野菜中のβ-カロチン量が食品成分表の値よりもかなり低かったことが推測された。