小腸スクラーゼ活性を選択的に阻害するL-アラビノースを14C-スクロースとともにラットに投与し, 6時間までの呼気14CO2排出量および消化管内14C-残存量を測定した。その結果, 1) 14C-スクロース摂取後6時間までの呼気14CO2排出量は, 同時に投与したL-アラビノースによって有意に抑制された。L-アラビノースの作用は用量依存的であり, 50mg/kgおよび250mg/kg投与群の抑制率はそれぞれ31.7%, 45.6%であった。 2) ラットにおけるスクロース負荷後の血糖上昇も同時に投与したL-アラビノースによって有意に抑制された。 3) 呼気14CO2排出量および血糖上昇に対して, L-アラビノース50mg/kgは作用比較物質アカルボース1.5mg/kgと同等の抑制作用を示した。 4) L-アラビノース投与群では14C-スクロース摂取から6時間後において盲腸および結腸部に多量の残存14Cが認められた。 以上の結果から, L-アラビノースはスクロースとともに摂取した場合, スクロースの消化吸収を抑制し, そのエネルギー利用を低下させると結論された。