高Ca食をWistar系ラットに投与し, 糞便へのコレステロールおよび胆汁酸の排泄量を観察した。 1) 高Ca投与は糞便排泄量が増加し, 便中への総脂質やコレステロールの排泄量が高まることを認めた。 2) 胆汁酸は高Ca食を投与しても排泄量は増加しなかった。 3) 高Ca投与は腸内通過時間の短縮を認めた。 以上のことからCa投与により胆汁酸では再吸収が阻害されにくいが, コレステロールでは吸収阻害を受けやすいと考えられる。また, 腸内通過時間の短縮から栄養素の吸収時間が短縮されると考えられることから栄養素の吸収が低下し体重増加量に影響をあたえると考えられる。