本実験ではHASの小腸内および腸内細菌による発酵も含めた全消化管内消化率を, それぞれ回-直腸吻合ラットと正常ラットを用いて測定した。また, 飼料への添加率とHASの消化率の関係についても調べた。CSは添加率によらず小腸内でほぼ完全に (>99%) 消化されたが, HASの消化率は, 小腸内では67~74%に, 全消化管内消化率でも83~99%に留まった。これらの結果から, 摂取したHASの16~25%は下部消化管内において腸内細菌により分解されるものと推測された。また, HASの小腸内および全消化管内消化率はいずれもHASの飼料中添加率によって異なり, HAS摂取量とHAS消化率との間には有意な負の相関関係が認められた。