プロピオン酸トリグリセリド (PTG) 1, 3, 5%添加飼料でラットを14日間飼育し, 血清, 肝臓および糞の各脂質含量, ならびに糞と盲腸内容物の有機酸含量を調べた。 1) ラットの体重増加は, 5%PTG群が最も低値を示したが, 食餌効率は各群間で差がなかった。 2) PTG群の血清総コレステロール濃度は対照群より低かった。また, PTG群の血清トリグリセリド濃度は, 対照群に比較して低かったが, 1%および3%PTG添加群では有意差はなく, 5%PTGのみで有意に低かった。HDL-コレステロール濃度は各群でほとんど差がなかった。 3) 5%PTG群における肝の全脂質, 総コレステロールおよびトリグリセリド含量は, いずれも対照群より有意に低かった。しかし, リン脂質の平均含量はいずれも対照群より高値を示した。 4) 1%および3%PTG群における糞の全脂質排泄量は対照群より高値であった。しかし, 5%PTG群は対照群より低値を示した。また, 中性ステロール排泄量は, いずれのPTG群も対照群より高値であった。 5) 糞および盲腸内容物中の酢酸, プロピオン酸および酪酸含量は各群でほとんど差が認められなかったが, 糞中の乳酸含量はPTG含量の高い群ほど低値を示した。