中高年者を対象に低Na, 高K, 高Mgのミネラル調整塩調味料の5週間使用による血圧ならびに脂質代謝への影響を臨床的に検討した。 1) 尿中K・Mg排泄量は有意に増加し, Na排泄量は減少した。 2) 収縮期・拡張期血圧の有意な低下が認められ, 高血圧者でより顕著であった。収縮期血圧の低下には尿中ノルエピネフリン排泄量の抑制による可能性が示唆された。 3) HDL-コレステロールの有意な増加を認め, HDL-コレステロールの変動には, LCAT, アポリポタンパク質-AI, Mg排泄量が正の関連を示した。 現在の日本人の食生活の特徴の一つである食塩過剰, K・Mg摂取量の不足傾向に対して, 調味料をミネラル調整塩調味料に替えるだけで, 食事内容を替えずに好ましい状態に修正でき, 長期にわたる継続がより可能になることが示唆された。