本研究は, ジャガイモデンプンを酵素処理して得られたリン酸化オリゴ糖から, Ca可溶化効果の強いPO-2画分を分離し, 飼料摂取によるラットのCa吸収に及ぼす影響を検討した。 5週齢SD系雄ラットに5%リン酸化オリゴ糖 (PO-2画分) を添加した飼料を2週間与え, 出納実験によりCa, Pの吸収率を求めた。飼育終了後, 臓器および大腿骨を摘出し, 盲腸については盲腸内pHおよび盲腸内揮発性脂肪酸量を定量し, 大腿骨については骨破断強度およびCa含有量を測定した。Ca, P吸収率ならびに体内保留率はリン酸化オリゴ糖群で有意に低値を示した。盲腸重量は有意に増加し, 揮発性脂肪酸量は増加した。盲腸内pHには差はみられなかった。また大腿骨破断強度, Ca量には影響はみられなかった。