高コレステロール食投与SHRSPを使用し, カボス果汁にエタノールを加えることにより得られた沈澱画分 (カボス果汁粕) が血清ならびに肝臓脂質に及ぼす影響についてコレステロール代謝を中心として検討し, 以下の結果が得られた。 1) 有意な血清コレステロール上昇抑制作用が認められた。これはVLDL, LDL両分画における上昇抑制に基づいていた。 2) 血清コレステロール上昇抑制作用機構として肝臓よりコレステロール含量が低いVLDL (β-VLDL) が分泌されることが示唆された。 3) HDL全体としての影響はほとんど認められなかったが, 構成アポタンパク (apoA-I, A-IV) の変動が認められたことから, HDLの組成へ影響を及ぼすことが示唆された。 4) 肝臓コレステロールならびにトリグリセライドの蓄積が有意に抑制され肝臓肥大 (脂肪肝) 抑制が認められた。同時に cholesterol 7α-hydroxylase, ACAT両活性の有意な低下が認められた。