ビタミンB1栄養状態に及ぼす加齢の影響を, 老化促進モデルマウス (SAM) を用いて検討した。市販固形飼料を与えて育てた雌雄のSAMP1 (促進老化系) およびSAMR1 (正常老化系) の2, 6, 10カ月齢における肝臓, 脳, 腎臓, 心臓および骨格筋中のビタミンB1含有量を測定した。腎臓におけるビタミンB1は, 雌雄ともに各月齢でSAMP1の方がSAMR1より低く, 逆に心臓や筋肉においてはすべての月齢で雌雄ともにSAMP1の方がSAMR1より高い値を示した。雄のSAMP1の心臓では加齢に伴い有意にビタミンB1濃度は低下した。これらの結果は組織中の加齢によるビタミンB1含有量の変化に遺伝的な因子が関与していることを示唆した。