本試験では, 飼料の完全自由摂食下において, 飼料中10%~40%までのHASをラットに摂取させたときの脂質代謝および体脂肪蓄積について検討した。HAS非摂取群 (SUまたはCS飼料群) の副睾丸脂肪組織重量および体脂肪/体タンパク質比に比べ, HAS摂取群 (10%, 20%および40%HAS飼料群) では有意な低値または, 低値傾向を示した。血清脂質 (トリグリセリド, コレステロールおよびリン脂質) 濃度ならびに肝臓中トリグリセリド含量は, 飼料中HAS濃度の増加に伴い低下する傾向が認められた。さらに, 血清コレステロール濃度は, 副睾丸脂肪組織重量および体脂肪/体タンパク質比と有意な正の相関を示し, 血清トリグリセリド濃度と副睾丸脂肪組織重量との間にも緩やかな正の相関が認められた。以上の結果から, HASは血清トリグリセリドおよびコレステロール濃度の上昇を抑制し, 同時に体脂肪の蓄積を抑制すると考えられる。