スポンジケーキなどの製造の際, 起泡素材として利用可能なフィブロイン溶液から起泡を製造し, その乾燥粉末 (フィブロイン起泡粉末) の給与がコレステロール添加食あるいは無添加食ラットの血清・肝臓脂質濃度に及ぼす影響について検討した。 フィブロイン起泡粉末の人工消化率は11-25%と低く, またその給与はコレステロール添加食給与によるラットの血清総コレステロール濃度の上昇を有意に抑制し, 動脈硬化指数の上昇傾向を抑制する傾向にあった。また, 肝臓総コレステロール濃度もコレステロール添加食の場合, フィブロイン起泡粉末の給与によって低下する傾向にあった。糞排泄量および胆汁酸排泄量はコレステロール無添加食, 添加食のいずれの場合においてもフィブロイン起泡粉末の給与によって, それぞれ, 有意な増加, 増加傾向を示した。フィブロイン起泡粉末による胆汁酸の排泄量の増加は血清コレステロール低下作用の一部が, フィブロイン起泡粉末の未消化部分による胆汁酸排泄促進作用による可能性を示唆した。