栄養素組成が同じで調理法の異なる米食の血糖・インスリン反応を健常者を用いて検討した。 健常男性7名にブドウ糖100gに相当する炭水化物を含む妙飯 (妙飯と味噌汁) とご飯食 (ご飯, 野菜妙め, 味噌汁) を摂取させ, 食後3時間にわたって経時的に血糖値, 血清インスリン, 中性脂肪および遊離脂肪酸濃度を測定した。実験食のタンパク質, 脂質, 炭水化物のエネルギー比をそれぞれ16, 32, 52%とし, エネルギーを744kcalとした。その結果, 1) 食後の血糖・インスリン反応は, 妙飯に比べてご飯食で高値であった。180分までの血糖値上昇面積を血糖上昇反応の指標とした場合, ご飯食を100とすると妙飯は31であった。 2) 食後の血清遊離脂肪酸濃度は, 妙飯に比べてご飯食で低値であったが, 血清中性脂肪濃度には食事間の差は見られなかった。 以上より, 米食の血糖・インスリン反応は, その調理法に影響を受けることが示唆された。