105名の被験者を対象に, 無作為に植物スタノールエステルを含有しないスプレッド群 (対照群), 植物スタノール2g (植物スタノールエステルとして3.4g)/日含有スプレッド群 (2g植物スタノール群), 植物スタノール3g (植物スタノールエステルとして5.1g)/日含有スプンッド群 (3g植物スタノール群) の3群に分け, 4週間摂取させ血清脂質, アポタンパク値の変化を検討した。併せて自覚症状, 一般臨床検査を検討し, 安全性を調査した。 1) 血清総コレステロール値は摂取4週目で, 対照群0.6%, 2g植物スタノール群6.3%, 3g植物スタノール群5.5%低下し, 植物スタノール群の低下率は対照群より有意に大であった。2g植物スタノール, 3g植物スタノール群で低下率に有意差は認められなかった。 2) 血清LDL-コレステロール値は, 摂取4週目, 対照群0.7%, 2g植物スタノール群9.5%, 3g植物スタノール群7.3%低下し, 植物スタノール群の低下率は対照群より有意に大であった。低下率は植物スタノール2g群と, 3g群に有意差は認められなかった。 3) 血清アポタンパクB値は摂取4週目, 対照群2.1%上昇し, 2g植物スタノール群7.1%, 3g植物スタノール群5.6%低下し, 植物スタノール群の低下率は対照群より有意に大であった。2g植物スタノール群, 3g植物スタノール群間に低下率で差がなかった。 4) 血清トリグリセライド, HDL-コレステロール, アポタンパクA-1は3群とも有意な麦化は認められなかった。 5) 問題となる副作用は認められなった。 以上により, 植物スタノールエステル含有スプレッドは血清総コレステロールおよび血清LDLを低下させるに安全で有用であると結論した。