酸化処理したリノール酸メチル (PV4,500meq/kg), またはリノレン酸メチル (PV3,500meq/kg) を用い, 酸化油の骨髄染色体損傷作用をマウスにおいて検討した。酸化リノール酸メチルならびに酸化リノレン酸メチルは種々の濃度 (最大150mg/匹) をICR系雄マウス (4週齢または6週齢) に毎日1回10または12日間, 胃内投与した。数日おきに末梢血を採取し, 網状赤血球を利用した小核試験法により経日的な骨髄染色体損傷度を評価した。その結果酸化油投与はその投与量ならびに投与期間にかかわらず有意な骨髄染色体損傷を惹起しなかった。骨髄または肝臓の抗酸化物質の変化から, 酸化油投与により弱い酸化ストレスが負荷されていることが示唆された。