植物ステロールはコレステロールに類似した構造をもち, 植物の脂溶性画分に豊富に存在する。植物ステロールはこれまで多くの臨床試験において血漿中の総コレステロール濃度および低密度リポタンパク質 (LDL)-コレステロール濃度を低下することが示されており, その効果は小腸におけるコレステロール吸収阻害作用によるものである。植物ステロールはステロール骨格内に二重結合を含み, これが飽和化されたものを植物スタノールと呼ぶ。これまで報告されたいくつかの試験では, 植物スタノールは植物ステロールに比べコレステロール低下効果が高いことが報告されている。しかし一方で, スタノールとステロールで効果に違いがみられないとの報告もある。これらのさまざまな臨床試験を検証した結果, 植物ステロールとスタノールの効果はほぼ同等であり, 遊離型換算で0.8g/日が最少有効摂取量であると推定された。