ヒト母乳のゲル濾過解析の結果, 本来分子量28kDaの主要食物アレルゲン, 卵白オボムコイドが分子量約450kDaの位置に溶出された。また, オボムコイドの溶出パターンとその分泌型IgA免疫複合体の溶出パターンが一致し, オボムコイドが母乳中で免疫複合体として存在していることが明らかとなった。他の食物アレルゲンでも同様の結果が得られてきている。母乳中のアレルゲンを考える場合, その濃度だけでなく分子形態も考慮する必要がある。