DHA含有魚油と豆乳を組み合わせた食品の摂取による, ヒトにおける抗肥満効果を身体組成, 安静時代謝量の面から検討した。健康な女子大学生34名 (年齢18-22歳) を2群に分け, 1群には1本200mL中にDHAが1,000mg含まれるようにDHA含有魚油を含むDHA含有豆乳 (以下試験飲料) を, もう1群には魚油の替わりにコーン油を含む対照飲料を6週間摂取させた。その結果, 試験飲料, 対照飲料摂取両群ともに6週間の摂取後に体重が減少し, その結果BMIも減少した。体重減少の内訳は試験飲料群では体脂肪量および除脂肪体重の両方, 対照飲料群では除脂肪体重の減少であった。臍水平断面のCTスキャンによる内臓脂肪と皮下脂肪面積をみると対照飲料摂取群では試験前後で差はみられなかったが, 試験飲料摂取群では皮下脂肪面積が有意に減少, 内臓脂肪面積も減少傾向にあった。安静時代謝量は試験飲料摂取群では3週間後に増加傾向, 6週間後には有意に増加した。一方, 対照飲料摂取群は有意な変動はみられなかった。以上の結果よりDHA含有豆乳摂取による安静時代謝量の亢進を伴う抗肥満効果が示された。