朝食の欠食習慣が唾液糖質コルチコイドの概日リズムに与える影響を検討した。19-22歳の男女学生への朝食摂取習慣などに関するアンケートから, A群: 8時前後に起床し, 毎日朝食を食べると答えた対象から無作為に選んだ18名, B群: 8時前後に起床し, 朝食は食べないと答えた8名, の2群を対象とした。被験者には, 通常どおり8時に起床させ, 普段どおりの生活の中で起床から12時までと, 13時から17時まで2時間おきに唾液を採取し, 糖質コルチコイド (コルチゾル+コルチゾン) 濃度を測定した。その結果, A群では18名中15名に, 起床時にもっとも濃度が高く夕方にかけて減少する, 典型的な概日リズムが認められた。一方B群では, 8名全員に典型的リズムが観察されなかった。この差は統計的に有意 (正確確率検定により p =0.00011) であった。これらの結果は, 朝食の欠食習慣が唾液糖質コルチコイドの概日リズムに影響を与える可能性を示している。