香辛料の機能成分のなかで抗酸化性, 抗菌性に着目して活性成分を探索した。抗酸化性に関しては香草系香辛料のシソ科のローズマリー, セージからきわめて抗酸化性の高いアビエタン型フェノール系ジテルペノイドを単離, 構造解析した。同科のオレガノ, マジョラム, キク科のヨモギ類から極性の高い水溶性抗酸化ポリフェノールを見いだした。香辛系香辛料のショウガからジンゲロール型およびジアリールヘプタノイド型の30種の新規化合物を含む50種の抗酸化成分を得た。ウコンには各種クルクミノイドが見いだされた。トウガラシ, コショウからはフェノール系アミド化合物を単離し, オールスパイスからはフェニルプロパノイド配糖体やタンニンを, ナンヨウザンショウからは一連のカルバゾール類を見いだした。抗菌性については非揮発成分に着目し, ハイゴショウ, パプアメース, ナツメグなどから多種類の化合物を得た。抗酸化物質は生体内酸化ストレスよって発症するがん, 動脈硬化などの生活習慣病の予防に役立つことが期待される。