窒素 (N) 出納に及ぼすマグネシウム (Mg) 欠乏食投与の影響について検討を行った。被験動物として4週齢 Wistar 系雄ラットを用い, 正常食投与群とMg欠乏食投与群の2群に分け飼育観察を行った。飼育開始後42日目においてMg欠乏食投与により最終体重, 体重増加量および飼料効率の有意な低下がみられた。Mg欠乏食投与ラットにおいて血清中Mg濃度, 見かけのMg吸収量およびMgの体内保留量は飼育開始後14および42日目に有意に低下した。Mg欠乏食投与による見かけのN吸収量への影響はみられなかったが, 飼育開始後14および42日目において尿中N排泄量の有意な増加, Nの体内保留量の有意な低下が観察された。また飼育開始後14および42日目において, Mg欠乏食投与により血清中総タンパク質濃度は有意な低下を示した。本実験の結果から, Mg欠乏食を投与することによりタンパク質利用の低下が引き起こされることが示唆された。