水溶性フィブロインの消化・吸収性は未だ明確ではない。そこで, 水溶性フィブロインの消化・吸収性を明らかにする目的で, 絹糸より水溶性フィブロインを抽出し, 一般成分ならびにアミノ酸組成, 消化・吸収性について検討を行った。 in vitro におけるペプシン-トリプシン-キモトリプシンによる水溶性フィブロインの消化率は, 58%であった。一方, ラットを用いた in vitro における水溶性フィブロインの真の消化率 (TD) は65.7%であった。また, 水溶性フィブロイン給与群では飼料効率, TD, タンパク質効率, 生物価, 正味タンパク質利用率のいずれもカゼイン群と比較し低かった。よって本実験から, 従来不明確であった水溶性フィブロインの消化・吸収性に関わる一端を明らかにした。