コメの産地判別法を確立するために, 玄米の微量元素組成を測定した。23府県から収集したコシヒカリ玄米26試料をマイクロ波で湿式灰化した後, ICP-MSで質量スペクトルを解析した。試料中の水分含量を補正した後, クラスター分析を行い, 各地方によるクラスターの分離が最も明確に現れる元素の組合せについて検討した。測定できた23元素のうち, 18元素は産地による含有量の違いが認められた。その中でも特に, Mg, Co, Ni, Te, Auの5元素の組成によって, 東海地方産米, 関東・甲信地方産米, 九州地方産米を明確に区別することができた。