オキナワモズクおよびヒバマタ由来の分子量と構成成分の異なるフコイダンを用いて, 正常リンパ球と白血病細胞の増殖反応およびリンパ球の免疫機能に与える影響を検討した。ウロン酸含量が低く, 硫酸含量が高いヒバマタ由来フコイダンは, 正常活性化リンパ球と白血病細胞の増殖反応に対して, アポトーシス誘導による強い抑制作用を示した。これに対して, ウロン酸含量が高く, 硫酸含量の低いオキナワモズク由来フコイダンは, 増殖能の高いがん細胞や活性化リンパ球に対する増殖抑制効果は弱いものの, 正常Tリンパ球に対するマイトージェン活性およびマクロファージからの炎症性サイトカイン産生誘導能を低濃度で示した。本結果から, 免疫賦活作用とアポトーシス誘導作用を示す成分は, 分子量の違いよりも, 異なるフコイダン構成成分によって担われている可能性が示唆された。