わが国の食料自給率は主要先進国の中でも最低水準となっており, 日本の食生活の安全安定供給という点で問題視されている。この論文は女子大学生の食事調査をもとに食料自給率を解析し, 食料自給率を高めるための因子を検討し, 以下のことを明らかにした。1) 女子大学生の食料自給率の平均は43%であった。2) 食料自給率は食事機会によって異なり, 朝食36±27%, 昼食48±24%, 夕食49±22%, 間食32±23%であった。3) 米を主食とする食事では食料自給率の平均が約60%, 米を主食としない食事では約20%であり, 米の有無によって食料自給率は大きく異なった。4) 米以外の食品群の食料自給率への寄与は小さかったが, 日本の伝統的な食品群とされるいも類・野菜類・魚介類等は比較的自給率に対する寄与率が高かった。5) 米を主食とし, 副食として日本の伝統的な食品群を摂取すること, 間食として和菓子や果物を摂取すること, によってわが国の食料自給率を引き上げることが可能である。