数種のカルシウム (Ca) 原材料のうち, 骨形成の必須元素である可溶性ケイ素 (Si) を高含有するサンゴ未焼成Ca (CS) を0.5%と3%添加した標準飼料を正常老化を示すSAMR1雄マウスへ1カ月齢から投与した。最大骨量域の4カ月齢では, 炭酸カルシウム対照群と比べて灰化骨重量と骨コラーゲン量が増加し, この変化は骨強度 (応力) と骨硬度 (弾性率) の増加をもたらした。また, 加齢による骨量減少を示す7カ月齢では骨のコラーゲンとCa含量の増加, アルカリ性フォスファターゼ活性の上昇等に骨量増加を伴ったことから骨形成優位の代謝が示唆された。特に, 対照群の171%Caと117%Si摂取量になる3%CS添加食群では機械的骨強度の全指標について増強効果が得られた。対照群の102%Caと105%Si摂取量となる0.5%CS群でも, 3%CS群程ではないが骨成分の増加と, 機械的骨強度の3指標 (骨強度, たわみ率, 強靭性) について増強効果がみられたことから, サンゴカルシウムは対照群のカルシウム源とは異なる特性をもつことが示され, その一因として可溶性Si含量差による可能性が考えられる。