日本での滞在期間の異なる中国人留学生の好ましい肌色を調査し,滞在期間が半年以内の学生,2年以内の学生,そして2年以上の学生のグループに分けてデータを解析した.その結果,滞在時間が長くなるとともに好ましい肌色が日本人学生のそれに近づき,さらに長くなると日本人,本国の中国人とも異なる独自の好ましさを得ることがわかった.また,SD法による好ましい肌色の要因決定も,好ましい肌色と同様,滞在期間が長くなるとともに日本人のそれに近づき,さらに長くなると独自の要因を得ることがわかった.この結果は生活環境が好ましい肌色を決定していること,言い換えれば,好ましい肌色が文化そのものであることを示唆している.